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2008.08.03 |
「いま、障害者雇用を進めよう!!」障害者雇用促進道民フォーラムを開催
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8月3日、札幌市内で障害者雇用の課題と労働組合の役割を考える、障害者雇用促進道民フォーラムを開催しました。
フォーラムは、高齢・退職者団体連合の他、DPI北海道ブロック会議・NPOホップ・NPOライフなどの障害当事者団体が共催し、組合員以外に、多くの退職者、障害当事者、福祉関係者や一般市民の方々が参加しました。
主催者挨拶で松本会長代行は「北海道において民間の法定達成率は全国平均より良いが、官公庁では、道教委をはじめ、2.0%の法定に対し1.56とかなり低く、率先垂範すべき行政には深く反省が求められる。連合は、ノーマライゼーションの理念に沿って、障害の種類や重さにかかわらず、働く意欲と能力に応じて、地域社会で働きながら暮らしていける社会の構築を目指している。そのため、雇用拡大につながる障害者雇用促進法の改正の実現を求めるとともに、職場における実雇用率の点検活動などを通じて、労働組合としても障害者雇用に積極的に関与していく」と述べました。
続く来賓挨拶では、民主党道民連合の道下大樹道議会議員から、障害児・者が暮らしやすい北海道づくりを目指す「道条例制定」に向けた取り組みが報告され、「千葉県議会が全国に先駆けて一番最初に障害者差別禁止条例を制定した。北海道議会は2番目であるが、当事者をはじめ広く意見をいただき、積雪寒冷・広域という北海道の特性も考慮して、千葉県条例より良いものとしたい」と述べました。
フォーラムは第一部として、千葉県障害者差別をなくす研究会委員の野老真理子氏(大里綜合管理株式会社 代表取締役社長)が、「千葉県の障害者差別をなくす研究会に企業として参加して」との題で講演しました。
障害者のことを何も知らず・気づかなかった自分が、「企業(経営者)」として条例制定の研究会に参加し、研究会での論議や障害当事者との出会いにより、地域に生活する市民の立場からノーマライゼーション社会が「当たり前の社会」であり、さらに経営者の立場からも「障害者住宅などのビジネスチャンス」と感じ、障害者のみならず社会的弱者と言われる人たちも含めたノーマライゼーション社会の実現に向けて、自ら(会社ぐるみで)実践するようになったことなどを講演しました。
続く第二部は、「障害者雇用を進めるために」との題で、(社福)北海道光生会 高橋一裕 統括施設長、(NPO)障害者活動支援センターライフ 石澤利巳 事務局長、北海道中小企業家同友会札幌支部障害者問題委員会 佐渡康則 副委員長、そして、連合北海道より松浦俊一 組織労働局長をシンポジストに、DPI北海道ブロック会議 西村正樹議長をコーディネーターにシンポジウムが開催されました。
特に、ライフの石澤事務局長は「障害者の学卒後は、一般就労か小規模作業所などでの福祉的就労である。一般就労が出来る者は良いが、多くは小規模作業所などで、一ヶ月に0円〜5000円・一万円の『給料』で福祉的就労に就く。であれば『小規模作業所を働く場へ』との思いで20年前に小規模作業所wo
立ち上げた。公的補助金には制約があり、補助金から障害者への賃金を支払うことは難しく、自前で『儲ける・稼ぐ』ことが必要であり大変苦労したものの、僅かであっても『儲け』はみんなで分配してきた。しかし、2006年からの自立支援法の就労継続支援事業A型では雇用関係・雇用契約を求めるものの、一方では利用契約を結び、利用料を施設に納付しなければならない。うちの『労働者』はこれはおかしいといって支払いを拒否している」と、述べました。
連合北海道の松浦組織労働局長は「経済財政諮問会議における民間議員が『新雇用政策』を提案し、政府も4月に『新雇用政策』を打ち出したが、その柱は、若年者と女性と高齢者と障害者を労働市場に誘導することで、人口減や少子高齢化社会における労働人口確保をねらうもの。しかし、『福祉から雇用へ』という美しい言葉の先にあるものが、短時間・細切れ・変形労働である可能性が大きく、非正規労働で障害者雇用が拡大することは、本来のノーマライゼーションの理念に沿うものではない。障害者の事情と要望に添う雇用と労働のあり方を実現するためには、障害者の思いを知る団体と、雇用と労働のあり方を追求する労働組合とが手を結び、『市場』の思い通りにはさせない取り組みが必要。さらに連合北海道として『公契約条例』や『総合入札制度』に障害者を位置づける取り組みや最低賃金の運動とリンクさせることを考えている。同時に、貧困の改善などいわゆる社会弱者の生活を向上させるためには、政治の改革が必要と考える。そのために政権交代が必要」と述べました。
連合北海道は、これまで地域福祉や、平和・人権に関する取り組みにおいて、障害当事者団体と連携してきました。今回の道民フォーラムを契機に、これまでは政策課題であった「障害者雇用」について、さらに「ともに働く職場づくり」について、障害当事者団体とも連携し、取り組みを強化して参ります。
以 上
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